【広告運用】ペルソナ理解せずバナー量産すると死ぬ
なぜ広告運用でペルソナが大事なのか
広告運用で成果を出す為には、ターゲットに刺さる的確で詳細な顧客理解が必要だと考えています。
ターゲティング、クリエイティブを成果を出す為には「顧客理解が全て」であると言っても過言ではありません。
過去に以下のような投稿もしたことがあるのですが、
顧客理解をせずにクリエイティブを作ると業界全体に悪影響すらあると思っています。
具体的には、チーズケーキを販売している二つのブランドがあるとします。
ブランドAはレアチーズケーキを売っていて、ブランドBはベイクドチーズを売ってるとします。
ブランドAとBが互いに「チーズケーキ」というクリエイティブを作って広告運用をすると、
絶妙にズレたターゲット層に対してお互い無意味な入札競争が発生しCPA、CPCが上昇して疲弊してしまいます。
ブランドAはレアチーズケーキのクリエイティブを、ブランドBはベイクドチーズのクリエイティブをしっかり作る。
そうすると広告媒体の機械学習はちゃんと互いに異なるユーザーに最適化され無意味な入札競争を回避でき、
適切なターゲットに広告表示されるので成果も出ると言うわけですね。
参考:【利益率29%の“北の達人”式】ターゲットにピンポイントで訴求する方法
コモディティ化した市場においても、価格帯やブランド連想、責任者の想いとか、細かいサービス内容含め…etc
似たような商品であっても必ず商品毎に違いはあります、それをしっかり見極めてマーケティングするのが大事な訳です。
適切なペルソナの作り方
では、どのようにしてピンポイントで適切で詳細な顧客理解をすることが出来るでしょうか?
顧客理解って専門スキルだと思っているので、そんなすぐに出来るようにはならないですが、
スキルを磨くための教科書というのは存在しております。
それが、「フィリップ・コトラー」先生のマーケティング5.0で書かれている「セグメント・オブ・ワン」という理論です。

セグメント・オブ・ワンとは?
コトラーが提唱する「マーケティング5.0」では、顧客を理解するために四つの主要な変数を活用したセグメンテーションが重要視されています。
それは地理的変数、人口統計学的変数、心理的変数、行動変数です。この四つの変数を組み合わせることで、顧客の本質的なニーズや行動パターンを理解し、より精度の高いペルソナを作成することが可能になります。
地理的変数の活用
最初に考慮すべきは地理的変数です。これは顧客がどこに住んでいるのか、どの地域に興味を持っているのか、また現在どこにいるのかといった情報を基に顧客を分類します。
たとえば、都市部に住む若者と地方に住む高齢者では、消費行動や興味関心が大きく異なるでしょう。地理的な要素は、広告の配信地域やタイミングを決定する上で不可欠な情報となります。
人口統計学的変数による具体化
地理的なセグメントに人口統計学的変数を組み合わせることで、より具体的なペルソナを描き出すことができます。この変数には年齢、性別、職業、所得、学歴、家族構成などが含まれます。
例えば、「東京都に住む30代の独身女性で、年収500万円以上のIT企業勤務」というように、ターゲット像を細かく定義できます。これにより、広告のメッセージやクリエイティブをよりターゲットに響くものへと最適化することができます。
心理的変数で内面に迫る
次に重要なのが心理的変数です。これは顧客の価値観、信念、ライフスタイル、興味関心、モチベーションなど、内面的な側面に基づいて顧客を分類します。
コトラーは、この心理的セグメンテーションが購買行動の優れた指標となることを強調しています。例えば、「エコ意識が高い」「冒険心旺盛」「ラグジュアリー志向」などの心理的特徴を理解することで、より共感を呼ぶ広告メッセージを作成できます。
この段階では、顧客の「なぜ」を理解することが重要です。なぜその商品を選ぶのか、なぜそのブランドに惹かれるのかを深掘りすることで、心に響く広告を作ることができるのです。
行動変数で実際の行動を分析
最後に、行動変数を用いて顧客の実際の行動を分析します。これは顧客がどのような購買ジャーニーを辿るのか、どのメディアを消費しているのか、どのように製品やサービスを利用しているのかといった具体的な行動データに基づいています。
例えば、「頻繁にオンラインで購入する」「口コミを重視する」「価格比較をしてから購入する」などの行動パターンを把握することで、最適な広告チャネルやタイミングを見極めることができます。この行動変数を理解することで、単にターゲットに広告を届けるだけでなく、購買意欲が高まる瞬間に適切なメッセージを届けることが可能になります。
まとめ
おそらく、マーケティング完全初心者の人が上記の四つの変数を読んでもピンッと来ないかもしれません。
深く深く顧客理解することは、根本的に難しいことだと思うからです。
妄想力を駆使して実際にその人が存在すると信じることが出来ないとマーケティングはそもそも難しいですし、
そもそもそれが出来るのであれば、この理論は初歩的なものなので手に余ることもあるでしょう。
でも、基本的にはこのフレームワークに沿って思考を巡らせることで、顧客理解の補助輪には必ずなると思っています。
最初からこのフレームワークを使っても使いこなせる感じはないかもしれませんが、
スキルなので、そんなに簡単にすぐ出来ないということを理解して、諦めずに教科書通りに顧客理解をしながら広告クリエイティブを作ってみてください。

