【広告運用担当者必読】成果が悪化したとき、真っ先にやるべきこと|“報告より先に提案”が信頼をつくる
広告運用という仕事は、数字がすべての世界です。コンバージョン、クリック率、CPA、ROAS——日々モニターに映るグラフや数値の動きに、一喜一憂することも少なくありません。しかし、もっと大切なのは「数字が悪くなったとき、あなたがどんな行動を取るか」です。
クライアントから先に「成果落ちてませんか?」と連絡が来たら、すでに手遅れ
マーケティングの現場では、SEOでも、SNS運用でも、そして広告運用でも、成果が悪化すること自体は避けられません。外部要因、競合、予算変更、クリエイティブ疲労、LPの劣化——理由はいくらでもある。
でも、成果が落ちたことに“クライアントが先に気づいてチャットしてくる”ようでは、プロとしては三流です。
本来、成果が落ち始めた時点で、プレーヤーかマネージャーのどちらかが先にキャッチし、社内で作戦を立てたうえで、以下のようにクライアントへアプローチすべきです。
「最近、数値が少し落ちてきているので、〇〇という仮説をもとに改善施策を検討しています。今週中に一度お時間いただけますか?」
この一言だけで、相手の印象はまったく違います。ただの「報告」ではなく「提案」がセットになっていることで、信頼残高は確実に積み上がります。
成果悪化の初動でやるべき3つのステップ
① 数字の変化に気づける体制を日常的につくる
まず前提として、日々の広告数値の監視体制が甘いと話になりません。デイリーレポート、アラート設定、スプレッドシートでの自動集計——どんな手段でも良いので、CPAやコンバージョン数の変化に「翌日には気づける」体制を作りましょう。
チーム内で共有して、誰か一人ではなく複数人が異変に気づけるようにしておくと尚良いです。
② 社内で原因仮説と打ち手を即座に検討
数値が悪化していると判断したら、すぐに社内でミーティングを設定しましょう。このとき大切なのは、「成果が落ちたから何とかしよう」ではなく、「なぜ落ちたのか」「何をすれば戻せるのか」という仮説と打ち手をセットで考えることです。
たとえば以下のように。
- クリック率が落ちている → バナー疲弊か? → 新しいバナー案を3パターン作る
- コンバージョン率が落ちている → LPの表示速度?CV導線? → ヒートマップを確認し、改善案をLP制作チームと共有
数字の悪化に“原因と対応策”をセットで考えること。これが信頼の第一歩です。
③ クライアントに「提案ベース」で報告する
仮説と打ち手がまとまったら、クライアントに連絡を入れましょう。ただの「成果が落ちています」報告では意味がありません。必ず「こう考えていて、こう改善したいと思っています」という提案ベースで話を持っていきます。
ここでポイントなのが、「ちょっとお時間いただけませんか?」と一言添えて、対話の場をつくること。Zoomでも電話でも構いません。「数値が落ちてるんで一緒に作戦会議しましょう」と提案できる関係性を築くことが、長期的な信頼に繋がります。
クライアントを“巻き込む”ことで、関係性は強くなる
広告代理店やマーケ担当者が、成果だけで評価されるのは当然です。しかし、数字が悪くても「一緒に改善しよう」と声をかける姿勢があるだけで、クライアントは「この人とは長く付き合える」と感じてくれます。
重要なのは、“報告だけで終わらないこと”。
- 「成果が落ちているのは分かってます」
- 「でも、その原因と対策も考えてます」
- 「だから、いま一緒に打ち手を決めませんか?」
このスタンスを持つだけで、結果が出るまでの時間にもクライアントは我慢してくれます。むしろ「一緒に走ってくれている」と感じてもらえることで、より強い信頼関係が築けます。
最後に:広告運用は“数字”と“人間関係”の両輪で回す仕事
広告運用者は、数字だけを見ていてはいけません。そして、人間関係だけを築いても数字が悪ければ切られます。
だからこそ、数字と信頼、どちらもバランスよくマネジメントするスキルが求められます。
成果が悪化したときにこそ、あなたの真価が問われる。その初動の一歩を、報告ではなく“提案”から始めてみてください。それだけで、クライアントとの関係性は大きく変わるはずです。