毎日どんな感じで仕事してるか・PDCAを回してるか解説【運用型の広告代理店|でもやるんだよ】
広告運用は、ただ予算を投じて広告を回すだけでは十分な成果を出すことはできません。適切な目標設定と戦略的な運用、そして細やかな改善を行うことで、広告のパフォーマンスを最適化し、成果を出せる可能性を高めます。
本記事では、運用型広告の専門代理店である「でもやるんだよ」が、どのようにして毎日広告運用をして、どのようにして毎日仕事をしてるのか解説してみようと思っています。
目標CVやCPAを決める:広告運用の指標を明確にする
広告運用を行う際、最初に決めるべきことは目標CVや目標CPAを明確に定めることです。要は仮置きでも良いので、シュミレーションを設計することです。これが無いと目隠し状態で地図を持たず冒険に出かけるのと同義になるので、成功確率を落としてしまいます。ドラッガー先生もマネジメントという書籍の中で、目標管理こそコミュニケーションの前提と書いてありますよね。
適切な目標を設定するためには、まず商品やサービスの単価、利益率、そしてLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を把握することが重要です。例えば、1回の購入で1万円の利益が得られる商品であれば、CPAは5,000円以下に抑えたいところです。しかし、LTVが高いビジネスの場合は、初回の獲得単価が多少高くても、継続購入やアップセルで利益を確保できるため、柔軟な判断が求められます。
目標CPAを明確に決めたら、それを基準として広告運用を進めることで、費用対効果を管理しやすくなります。もう一度言いますが、目標のない広告運用は、ゴールのないマラソンと同じで、どこまで走ればいいのかわからないまま資金を消費してしまうリスクがあるため、最初に目標を設定することは絶対に必要なステップです。
狙いを定めたペルソナ設計を行う。
目標が決まったら(正確な数字を出すのが難しい場合は仮置きでも大丈夫)次に行うべきことは広告の狙いを定めてペルソナを立てることです。詳細なペルソナを定めて広告運用をすることで、
適切なターゲティング、魅力的な広告文、そしてユーザーの心をつかむクリエイティブの3つの要素を捉えることが出来ます。。
例えば広告文を作る際も、単に「安い」「お得」などの表現を入れるだけではなく、ターゲットに刺さる具体的なメリットを強調し、今すぐ行動を起こしたくなるようなコピーをペルソナを中心に作成することが大切です。
イメージとしては、たった一人の実在する・血の通った一人の人間に焦点を当ててその人の心を動かす言葉を創造することです。弊社ではフィリップコトラー先生が提唱しているペルソナ設計のフレームワーク「セグメント・オブ・ワン」という顧客プロファイリングの技術を使っています。

結局、狙いというものが無いと、その施策が失敗しても成功しても知恵や知見に昇華できないので成長に繋がらないんですよね。ペルソナという概念は、狙いを定めて自分が今何をやっているのか自分たちの頭で理解するという技術を与えてくれます。
コトラー先生を知る前の自分のように、脳死状態でクリエイティブを量産すれば良いっていうマーケターは絶対ダメです。
狙いを定めた広告運用をする:広告文・ターゲティング・クリエイティブの最適化
次にターゲティングの精度を高めることが求められます。
これは広告媒体の設定を細かく検証したり、マイクロCVや類似ターゲティングなどをもっともっと細かく設定して色々と試すという感じです。
より具体的に広告運用のコツというイメージをしてもらったら大丈夫です。
例えば、Googleのリスティング広告の運用レバーだけで取ってみても細かくやると様々なことが出来ます。
・検索語句を細かく除外する
・コールアウトを細かく設定する
・構造化スニペットを細かく設定する
・サイトリンクを細かく設定する
・LPスクロール率70%のMCVに〇〇円の価値をつける
・MCVはページビューのCVアクションを使う
・実CVは申し込みのCVアクションを使ってみる
・入札戦略の上限CPCを設定してみる
・新しいキーワードを追加してみる
・配信デバイスを変えてみる
・配信時間を変えてみる
・ちょっと地域を広げてみる
Googleのリスティング広告以外でも例えばMeta広告でも、どのコンバージョンイベントをどう組み合わせるか。
例えばECの広告運用をMetaでやるにしても、カートに入れるフェーズまで来たユーザーを対象に類似3%でやってみるとか、
単純に年齢層や性別、配信先を決める以外にも興味関心のターゲティングの組み合わせは無限ですし、まあ色々ありますよね。
そういう感じで、広告媒体毎に存在しているターゲティングや細かい設定を、ケースバイケースで細かく設定し続けるという仕事を広告代理店は諦めずにやらないといけません。
目標CPAを超えたら放置せずに止め
そしていざ広告運用を開始した時、意外にも皆んな陥ってしまうミスが、目標CPAを超えてしまった広告をそのまま放置してしまうことです。
目標CPAが5,000円なのに、実際のCPAが7,000円になっている場合、広告を続ければ続けるほど赤字が膨らんでしまいます。
この状態を放置すると広告費が無駄になり、事業の収益性を損なう原因になります。
広告運用は、出しっぱなしで成果を待つものではなく、常にデータをチェックしながら、不要な広告を止める判断が求められる作業です。
広告管理画面のデータを定期的に確認し、目標CPAを超えている広告は速やかに停止する。広告予算を使い切らないといけなくても一回止める。
これが弊社のルールです。絶対ルールです。憲法みたいなものです。
小さな変化を加えながら再開する:微調整で成果を高める
繰り返しになりますが、弊社では全社的なルールとして、案件毎に必ず目標CPAを設定し、それを超えたら必ず一回止めなきゃいけないというルールを決めています。
広告予算を使い切らないといけない案件でも、目標CPAを超えたらとりあえず一回止めて、広告文を一つ変えるだけでもいい、ターゲティングを少し変えるだけでも良いので、
何かしら足掻いて、泥臭く手を動かして、広告は再開するという風にしていますし、それをやるのが我々がこの世界に存在している意味、介在価値だと思っています。
そして、必ずこの期間、このターゲ、広告文、CR、予算、狙いでやったらこうなったというのをログに残しています。これもまた、この行動をしっかりするのも我々が広告代理店として使命を果たす、この世界に存在する価値だと思っています。
広告が目標CPAを超えた場合、工数や時間がなく尚且つ予算を消化しないといけないタイミングでも一度必ず停止して、少なくとも一文字でも良いので、小さな変更を加えて新しい狙いを自分たちの頭で考えてから再開することが、絶対に必要な仕事の手順です。
広告文のたった1文字を変更するだけでも、クリック率やコンバージョン率が改善することがありますし、コピーの表現を少し変えたり、ターゲットの年齢層を微調整するだけでも、結果が大きく変わることも珍しくありません。
また、配信エリアや広告の配信時間帯を変更するだけでも、パフォーマンスの向上につながることがあります。
このように、限られた時間しかないのはみんな分かっているもものの、絶対に放置せずに、大きな変更を加える時間やリソースがない案件でも、小さなテストを繰り返しながら最適解を見つる努力は少なくとも諦めないというのが、広告運用の成功のカギ、というか「でもやるんだよ」という広告代理店が市場に存在することが許される唯一の道だと思っています。
成果の改善が測れないチームはもう最悪
広告運用において、最も避けるべきことは、目標CPAを超えた広告をそのまま放置して改善が測れない感じになることです。成果が悪化してしまうのはある意味では仕方がないことだとも思っていますし、自分たちがコントロールできる物でもないです。
ビジネスには繁忙期や閑散期がありますし、ビジネスそのものが市場で厳しい状況になることがあります。たとえそういう難しい、というか無理ゲーな状況だったとしても「でもやるんだよ」という感じで改善をあきらめない志が必要なわけです。
目標CPAが超えてしまって、工数がなくて時間もない場合でも、そのCRを一旦複製して、文字を一文字変えるだけでも良いので新しい狙いを込めてやってみる。
以下のような感じで、そして「いつから ~ いつまで」運用し、幾らお金使って、どういう狙いで、どういう広告文とターゲを回したらこうなった、というのを回し続ける、少なくとも観測可能な状態にしておくのが我々の使命です。仕事です。
あわよくば、成功させたいし成功確率を上げたいけど、成果というのは百発百中じゃない、それは曲芸だと思っています。
- 配信期間:◯月◯日〜◯月◯日
- 広告費用:◯◯円
- ターゲット属性:年齢層、性別、興味関心、デバイス別の効果
- 広告文の内容:使用したキーワード、訴求ポイント
- クリエイティブの詳細:静止画か動画か、配色やデザイン要素
- 成果:クリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)、CPA
- 改善点:思ったような成果が出なかった要因の仮説
まとめ、広告運用とは、このプロセスを繰り返すこと
広告運用とは、一度うまくいったら終わりではなく、この「検証と改善」のプロセスを永続的に繰り返す仕事 です。我々広告代理店の仕事も、単に広告を出すだけではなく、この**「効果を最大化するための試行錯誤」** を積み重ねることにあります。
特に、デジタル広告の世界は日々変化しており、ユーザーの行動パターンや市場のトレンドも刻一刻と変わります。昨日まで効果があった施策が、今日には通用しなくなることも珍しくありません。そのため、広告運用者は常にデータを分析し、新しい施策を試し続けることが求められます。
広告運用の成功は、一回の大きな成果ではなく、小さな改善を積み重ねることで生まれます。だからこそ、目標CPAを超えたら即座に広告を止め、施策を棚卸しし、次の戦略を考え、新たな狙いで運用を再開する。このプロセスこそが、広告運用における「王道の仕事のやり方」 なのです。