YouTube広告の新潮流|ブランドとクリエイターをつなぐ「パートナーシップ広告」の可能性
一部冒頭に生成AIを使ってます
クリエイターの力を、もっと多くのブランドに。YouTubeが示す次なる広告戦略
2025年5月8日、YouTube広告チームは「YouTube NewFronts 2025」において、広告主に向けた新しい施策群を発表しました。テーマは「クリエイターとブランドのつながりを強化し、視聴者との深いエンゲージメントを実現すること」。今やYouTubeクリエイターは、ただのコンテンツ制作者ではありません。人々の購買判断を助け、信頼を築き、ブランドの魅力をリアルに伝える存在として、広告運用の中核を担うようになっています。
この文脈において、YouTubeは「BrandConnect」やAPI連携、そしてAIを活用した新しい広告体験の数々を打ち出しました。

ブランドとクリエイターの連携を加速する「クリエイターパートナーシップハブ」
これまでブランドがYouTubeクリエイターとコラボしようとした際、最も大きなハードルとなっていたのが**「適切なクリエイターの発見」と「成果の可視化」**でした。今回YouTubeが発表した「クリエイターパートナーシップハブ」では、その問題を根本から解決する機能が導入されています。
- スポンサー付き動画の発見性向上
- クリエイターの検索性改善
- パフォーマンスの有料/オーガニックレポートの統合表示
これにより、広告主は自社ブランドに合ったYouTuberを簡単に見つけ、コラボによる効果を明確に把握しながらPDCAを高速に回すことができます。
ブランドとクリエイターの架け橋となる新しいAPI連携
さらに、対象となるインフルエンサーエージェンシーやSaaSプラットフォーム向けに、YouTubeクリエイターのインサイトを活用できるAPIの提供もまもなく開始されます。
たとえば、あるアパレルブランドがZ世代に強い影響力を持つ美容系クリエイターを探す際、このAPIを活用すれば「ジャンル別の人気」「視聴者層の属性」「エンゲージメント率」などのリアルなデータに基づき、的確なマッチングが可能になります。
AI×ソーシャル戦略で加速する、YouTube広告の新しい形
今後の広告運用では、AIを活用した自動最適化キャンペーンと、クリエイターによる**「顔の見えるパーソナライズド広告」**の組み合わせが鍵になります。
YouTubeでは今後、動画の冒頭に**クリエイター本人の挨拶や推奨コメントを差し込む「テイクオーバー型広告」**も推進していくとのこと。これにより、視聴者は「ただの広告」ではなく「信頼しているYouTuberからの紹介」として自然に受け入れ、コンバージョンにもつながりやすくなります。
Insights Finderで実現する、精度の高いクリエイター選定
広告主が戦略的なプランニングを進めるうえで、YouTubeは「Insights Finder」の活用も推奨しています。
このツールでは、関心の高いジャンルやキーワードから関連性のあるクリエイターを抽出し、そのファンダム(熱狂的なファン層)の傾向や好みまで把握できます。これにより、「ただフォロワー数が多い」だけでなく、「自社ブランドと世界観が合う」クリエイターを選ぶことができるようになります。
BrandConnect広告がDisplay & Video 360でも利用可能に
YouTubeはさらに、**パートナーシップ広告「BrandConnect」**を、Googleの広告運用プラットフォーム「Display & Video 360(DV360)」にも展開予定と発表しました。
これにより、企業はDV360上からダイレクトにYouTubeクリエイターと連携した施策を立ち上げられるようになり、従来のディスプレイ広告や動画広告と組み合わせた統合マーケティングが可能になります。
まとめ|YouTubeは「人が動く広告体験」へと進化している
YouTube広告の進化は、「機械的なインプレッション数」ではなく、「人が信じて動くリアルな体験」を重視する方向に舵を切っています。視聴者の心を動かすのは、共感できる人の言葉や体験であり、その役割を担うのがYouTubeクリエイターなのです。
広告運用者にとっては、ただリーチを取るだけでなく、どのクリエイターと、どんなメッセージを、どのような手法で届けるかという設計が、今後ますます重要になります。
YouTubeの新機能群は、こうしたニーズに対応する「クリエイティブ×テクノロジー×信頼」のプラットフォームとして、広告の新しい時代を切り開こうとしています。

