広告管理画面やGA4で出せる数字は全体の2割程度

はじめに

デジタルマーケティングが急速に進化する中で、マーケティング施策の成果を測定するためのツールとして、多くのマーケターがGTMやコンバージョンAPI等のツールを駆使して、広告管理画面やGoogleアナリティクス4(GA4)で成果を可視化しようと試みてみます。

これらのツールはクリック数やインプレッション数、コンバージョン(CV)数といった具体的な指標を可視化し、施策の成否を判断する材料として重宝されています。しかし、本当にこれらの数字だけでマーケティング施策の成功・失敗を語れるのでしょうか。

実際には、広告管理画面やGA4に表示される数字は、ユーザーの行動の全体像を捉えきれていないことが多いのです。極論を言えば、これらのツールが示しているのは、ユーザージャーニー全体のわずか2割〜4割程度に過ぎないと思っています。この事実を見過ごすと、誤った施策改善や予算配分に繋がる可能性があります。

本記事では、なぜ広告管理画面やGA4の数値だけでは不十分なのか、その限界を詳しく掘り下げるとともに、広告施策の本当の成果を測定するために必要な「オフラインデータの活用」や「重回帰分析」などの高度な分析手法について解説します。初心者の方でも理解できるように丁寧に説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。

広告管理画面やGA4の数字を鵜呑みにしてはいけない理由

数字は「部分的な真実」に過ぎない

多くのマーケターは、広告施策の成果を測る際に、広告管理画面やGA4に表示されるCV数やクリック率を重要な指標として捉えています。しかし、これらの数字は「部分的な真実」に過ぎません。

たとえば、広告管理画面でCVが多く表示されていても、その施策が本当に売上や来店数の増加に貢献しているのかは分かりません。逆に、CV数が少なくても、以下で説明しているように実CVが大きく増加する場合もあると思います。

ユーザージャーニーの複雑化

現代の消費者行動は非常に複雑で、ユーザーは複数のデバイスやチャネルを使い分け、様々なタッチポイントを経て最終的な購買行動に至ります。この「複雑なユーザージャーニー」を広告管理画面やGA4だけで完全に把握することは不可能です。

例えば、ユーザーがスマートフォンでInstagram広告を見て認知し、もしくは興味を持ち、その場ではクリックしなかったものの、後日パソコンからブランド名を検索し、最終的に購入したとします。

この場合、Instagram広告の管理画面にはCVが記録されません。しかし、明らかにその広告が購買行動に影響を与えています。広告管理画面やGA4の限界は、こうした「間接的な効果」を可視化できません。

また、異なるプラットフォーム間での「二重カウント」問題もあります。例えば、Instagram広告をクリックして商品ページに訪れた後、一度離脱し、再び同じスマホでGoogle検索で同じページにアクセスして購入した場合、

InstagramとGoogleの両方にCVが記録されることがあります。こうなると一人のユーザーの行動が複数回カウントされてしまうので実際の成果とのズレが生じます。

そもそも現実的に難しい問題

更に近年では、クッキーを活用したユーザー行動の追跡の規制等、

プライバシー保護の観点からデータ追跡のハードルはますます高くなっていますし、

広告媒体やGA4等のツール毎でコンバージョン判定も微妙に違っていたりですとか・・・

複数媒体を経由した比較的シンプルなCVの流れに関しては、アドエビスみたいなツールを使ったり色々することで、

ある程度はこの手の問題は解決できますが、全てのパターンを完璧に把握して管理画面上で追い切るのは結構至難だったり、

その他、ユーザージャーニーが多様化していることを踏まえても、

現実的にそもそもデータを全てトラッキングするのは難しい状況があります。

広告管理画面とかGA4で測れるCVという数字は、文字通り単なる数字・機械学習の最適化の為に使う手段程度と考えた方が良い。

手動で観測した実際のCV数の変化に注目しよう

広告施策の効果を正確に測定するためには、オンライン上のデータだけでなく、

基本的には完全に「手動で観測した実際のCV数」のデータをマーケターは見るべきです。

売上が “実際に” 増えているのか、来店が “実際に” 増えているのか。ことに向かう力がマーケターには求められます。

データドリブンマーケティング

コトラーのマーケティング5.0という書籍でも書いてありましたが、

ユーザージャーニーが複雑化した世界では、重回帰分析のような統計モデルを使って、

結果に対してどの施策がどのくらい影響を与えたのか分析しながら意思決定をするのがお勧めです。

重回帰分析は(ここでは深く解説しないけど)

複数の要因が結果にどの程度影響を与えているのかを分析するための手法で、広告施策の評価にも非常に有効です。

広告代理店はお客様と密に連携しながら施策を改善していく必要がある

広告代理店として、これまで色々な現場に入ってきましたが、

単に広告管理画面の数字しか追わないマーケターが多すぎると思っております。

マーケターたるもの、本当の成果を中心に考えないといけません。

お客様と密に連携し、実際の来店数や売上データなどを共有してもらうようにして、

打ち出したマーケティング施策のあらゆる数字と実際の成果の数字を分析にかけてみましょう。

そうしないと、本当の成果にコミットすることは難しいと思っています。

まとめ

広告管理画面やGA4に表示される数値は、全体のわずか2割〜4割程度に過ぎないと思っているため、

実際の来店数や売上といった実際の数字を活用し、それに対して重回帰分析などの統計的手法を用いたりしましょう。

そういう風にして自分達が打ち出したマーケティング施策が実際にはどういう風に成果に影響を与えているか、

仮説を立てながら俯瞰した目で見てくことが大事なのです。

そうしないと、実際には施策が上手くいってるのに「全然成果出ないな」と判断して予算を引き上げてしまったり、

実際にはあまり成果が出てないのに無意味に予算を当て続けたりしてしまいます。

何度も言いますが、今の世の中ではユーザージャーニーは超複雑化しています。

実際には成果に貢献している施策を止めないことが凄く大事なのです。

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